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:::Nebula†Garden…ホガラカDiary:::

スカイビュー・ローテーション+ニール+


【二次創作書庫…lock*tie】

スカイビュー・ローテーション


+ニール+


 スカイ・ビューの向こうに広がる漆黒が、佇む少年を吸い込んでしまいそうな絵面。
時折瞬く彼方の星を眺めているのか、それとも何か思いを巡らせているのか、 細いカウンターに不安定な体重を
預けているはずの少年の後ろ姿は、殆んど身じろぎをしない。
常に孤高で人を寄せ付けない彼は、しかし、自分にもまた厳しく、案外、些細なキッカケで簡単に折れてしまいそう
な予感がする。と、ニール・ディランディはその少年、ティエリア・アーデの背中を見詰めていた。
「(ボディーラインはしなやかなのにねぇ…心が堅すぎ。)」
その時、漆黒に吸い込まれかけていたティエリアの唇から小さな溜め息が漏れた。

「悩みが有るんなら聞いてやろうかー?」
きっちりと切り揃えられたアメジスト色の直毛が無重力にフワリと揺れて、振り向き様に眼鏡の蔓が冷たく
光った。不意にかけられた声に向き直った表情は、決して穏やかなものとは言えない。
ティエリアには、迷い無く介入してくるロックオン・ストラトスの面倒見の良さが疎ましく、また、理解出来ないで
いた。しかも、あろう事か、この男は時たまにティエリアの非を突いて、その自尊心に揺さぶりをかけて来る。
例え歳の離れた相手であっても、許せる行為ではなかった。
「悩みの有無など答える必要は無い。まして、お前に話すような悩みは一生皆無だ。ロックオン・ストラトス。」
寧ろ清々しいほどの拒絶。
「(おっ…!)」
ロックオンは声にならならない小さな叫びをあげた。
「何をニヤニヤしているんだ。気持ちの悪い。」
「(又だ!)」
今度は心が小躍りした。
最近、僅かにティエリア・アーデの自分に対する反応が上がってきた!そんな手応えを感じての事だ。
言葉や質問を投げかけても、冷ややかな視線に小さく鼻を鳴らされてシャトアウト。
それが大半の反応だったのに比べると、素晴らしい歩み寄りと言える。

…それから二人は、いくつかの言葉を交わした。
そう遠くない未来に決定的な別れが訪れるのも知らず、喧嘩腰のやり取りを楽しみ始めた頃だった。

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0811_スカイビュー

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